高知県立文学館

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文学館ニュース
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「上橋菜穂子と〈精霊の守り人〉展」を楽しむ

「上橋菜穂子と〈精霊の守り人〉」展、もうご覧になりましたでしょうか?残す会期もあと2週間となりました。上橋作品創作の原点がよくわかる、中四国初開催の展覧会です。

かくいう私も、かれこれ10年以上、上橋先生作品のファンで、2014年に国際アンデルセン賞を受賞された時も、こんなスゴイ作家さんと同時代に生きられてシアワセ!と思ったことです。どうやって壮大な物語の世界観が創られたのか、あの魅力的な登場人物たちはどうやって生まれたのか、一度はお話を聞いてみたいと思いつつ、機会に恵まれませんでした。

上橋先生作品が好きなのに、展覧会になかなか行けなかった皆さんにこの展覧会を楽しんでいただけたら嬉しいです。

展示資料には国際アンデルセン賞メダルや、初期の資料、研究者としての資料と巡回展ならではの素晴らしさなので、関連企画も世界観を楽しんでいただけるイベントをご用意いたしました。おかげさまで要予約のイベントはすべて満員御礼です。

どのイベントもお客様の笑顔が忘れ難く、印象に残っておりますので、この場をお借りしましてご報告いたします。

 

【ワークショップ:シグ・サルアのハーバリウム作り】

「シグ・サルア」は『精霊の守り人』に登場する架空の植物です。雲の精霊ニュンガ・ロ・イムの産卵を促す蜜を持った、水辺に咲く白い花で、挿画では睡蓮のような花が描かれています。水辺に咲く花をイメージしたハーバリウム作りをしました。

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皆さん、楽しそうに花材を選んでいらっしゃいました!ミュージアムショップでは、会期中、高知県内のハーバリ屋さん、マプロックさんの商品を販売しております。水中に揺蕩う花の色と透ける光を楽しみながら、作品の世界に思いを馳せるのもいいですね。

 

【ワークショップ:ナユグの石を作ろう】

「守り人」シリーズの異世界「ナユグ」を体験するインスタレーション(空間を体験する芸術)コーナーをより楽しめる「ナユグの石」ペンダント作りも人気のワークショップです。

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「ナユグ」は、「守り人」シリーズにおいて、重要な世界です。精霊たちが住み、私たちの住むこの世(サグ)と同時に存在し影響しあうもう一つの世界として描かれています。

佐竹美保先生による展覧会のメインビジュアルも「サグとナユグ―混じり合う世界―」という題名です。この絵の場面、原作では物語も最高潮で胸に迫るシーンですよね…。このペンダントも、ナユグの気配を感じると、光ります。世界に一つだけのオリジナルナユグの石、皆さん素敵な作品を作っておられました。

 

【ブックトークツアー】

ブックトークツアーでは、特定NPO法人 高知こどもの図書館の古川館長様に上橋先生作品のほか、展覧会で紹介されている本についてブックトークして頂きました。それぞれの作品の興味深いポイントをわかりやすくお話してくださるだけでなく、関連本の紹介もしてくださり、あれもこれも読みたくなるようなトークは、本への愛に溢れている古川館長様ならではのお話でした。読書欲が大いに刺激されたブックトークの後は、ごはん屋おねおねさんで、守り人をイメージしたランチをいただきました。食べてみたかった通称「上橋メシ」の数々、参加者のみなさんも私たちも、残さずペロリ!特別メニューで作っていただいたのですが、本当に美味しかったです!ご協力いただいて、ありがとうございました!

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〈精霊の守り人〉シリーズは、マンガ化、アニメ化、ドラマ化と広がりを見せ、さらには翻訳のおかげで国内外にファンが広がりつつあります。

その、すべての魅力の源流は先生の「テキスト」です。端的で、わかりやすい文章でありながら、野宿をした森の湿った空気、張りつめた場面の拍動、闘いの場面の鬼気迫る息遣いなど、肌感覚まで伝わる語り口で、物語の中へ一気に引き込まれます。また文化人類学者としてのご研究やフィールドワークのご経験、海外での見聞が作品にちりばめられています。展覧会のテーマでもある「多文化共生」は上橋先生の全ての作品の底流にあり、文化人類学者として実際に多様な価値観が存在する世界を見聞きしてきたからこそ、この言葉の意味は架空の物語の中のことだけではなく、今の時代だからこそ向き合いたいキーワードだと感じます。

わが国の誇る物語の紡ぎ手である上橋さんの物語を、現代に生きる私たちは、翻訳なしで読むことができます。どうぞ、この機会をお見逃しなく。

 

【追記】

おもてなし海援隊のブログでも、レポートしていただきました!武市先生、ありがとうございますっ!

https://ameblo.jp/tosaok/entry-12358687423.html?frm_src=thumb_module

 

(眞)

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