高知県立文学館では、令和4年4月1日(金)から令和5年3月26日(日)まで
「嶋岡晨ー肉化された精神ー」展を開催しています。嶋岡晨さんからメッセージを頂きましたので、ご紹介いたします。
嶋岡晨ー肉化された精神 展示風景Ⅰ
肉(体)化される精神
嶋岡 晨
夢にうなされ譫(うわ)言(ごと)でも言うように、つい思いうかぶまま口走ってしまった。
肉化される精神・・・・・。肉体化する・・・・・・。
そんなことがあり得るのか。
あるんですねェ、私の主観世界では。簡単です。ほんとです。
スタンダールの恋愛論なんか、ひっぱり出すまでもございません。
要約的に表現しなおすなら、それは確かな写実的表現に裏打ちされた、自由な幻想の展開、ということになるでしょうか?生なましく手に感触されるようなリアリティを獲得しえたイメージ世界の、奔放な表現、とでも言いかえてみるのも、よいかもしれない。
2+2=4―といった理数的論理ではなく、主観的論理。不合理性をひょいと跳びこえて、不合理のままに受けいれ、その主観的飛躍をみずから楽しむような、自在な心のひろがりを持つ境地・・・・・と考えてもらえば、いいのではないか、とわたしは思っている次第であります。

嶋岡晨ー肉化された精神ー 展示風景Ⅱ
その境地では、2+2=5が成立してもおかしくないし、不合理でも何でもありません。そんなでたらめ(と思いこむこと)が許せない人も、この世にはいるだろうし、いなくても構わない。そういう〈自由〉も許されないような住みにくい世界ではありますまい、このわれわれの世界は。
2022年3月15日