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文学館ニュース
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春を待つ、2月の木蓮

2026.02.05
  • ひとことブログ

春を待つ、2月の木蓮

2月になりました。

2月こそ一番寒い!まだ真冬だ!と人間は厚着にマフラー、手袋と完全防寒で凍えながら通りを歩いていますが、2月の木々はもう、春をすぐそこまで感じています。

私の大好きな花木の一つ、木蓮は落葉樹なので、葉っぱがすべて落ちて寒々とした姿に見えますが、枝の先には短い毛に覆われた大きな花芽が春を今か今かと待っています。

 

花好きの寺田寅彦は随筆「木蓮」の中で、

 

「白木蓮は花が咲いてしまつてから葉が出る。その若葉の出はじめには実に鮮かに明るい浅緑色をしてゐて、それが合掌したやうな形で中天に向つて延びて行く。丁度緑の焔をあげて燃ゆる小蝋燭を点しつらねたやうにも見える。
 紫木蓮は若葉の賑かなイルミネーションの中から派手な花を咲かせる。濃い暗い稍冷たい紫の莟が破れ開いて、中からほんのり暖かい薄紫の陽炎が燃え出る。さうして花の散り終るまでにはもう大きな葉が一杯に密集してしまふ。」(『寺田寅彦全随筆 六』岩波書店)

 

と描写しています。

我が家の玄関先に植えた紫木蓮は、寅彦の紫木蓮と違って、花が先に咲いて、花がほとんど終わる頃に若葉の賑やかなイルミネーションが広がります。そして、寅彦の紫木蓮と同じように、あっという間に大きな葉がいっぱいに密集してしまいます。

 

ここからが、私が木蓮が大好きな理由でもあるのですが、子どもの顔ほどもある大きな葉っぱの密集した中に、初夏にはもう、来年の花芽を準備しているのです!

次の3月に花を咲かせるまで、紫木蓮の花芽は10か月近く、衣替えをくり返しながら少しずつ大きくなっていくのです。夏の酷暑にも、カイガラムシの繁殖にも耐えて、こんなに長い間お花の赤ちゃんである花芽を守り続ける木蓮という木の生命力に、日々力をもらっています。      (岡)

 

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