宮尾登美子「櫂」第二部原稿。今は昔、文学館に勤め始めてまもない頃、立ち止まってしばらく見入ったのが、特別室「宮尾文学の世界」に展示されていたこの原稿でした。原稿用紙のマス目いっぱいに書かれた藍色の凛々しい文字の列。もともと直筆資料を見るのが好きで、原稿の端正な佇まいに引き付けられたということもありますが、なにか気迫のようなものを感じたことを覚えています。
現在開催中の企画展「生誕100年記念 宮尾登美子展 ~生きてゆく力~」では、この「櫂」第二部をはじめ、主要作の原稿を随所に展示しています。ややマニアックな視点ではありますが、原稿用紙の種類や筆跡など、直筆資料が見せる表情の移り変わりにもご注目いただければと思います。(露)











